自分の筆を見つける

画家の技法が千差万別であるように、画筆も用いられる毛の種類、形状など多くのタイプがあります。またその評価も使用する画家の技法によって細かく分かれます。

いずれにしても、その微妙な要望を幅広く満たす画筆選びは大変重要になってきます。

 

■原毛の種類

■豚毛

油絵具独特の粘りに負けない弾力と耐久性があり、1本の毛の先端が2〜3本に枝分かれしているのが特徴です。中国の重慶産の原毛を日本で毛をいためないように晒した飴色の物が最も良質とされています。豚毛特有のカールをうまく利用した、先のまとまった作りの筆は熟練した職人の手による物です。

■コリンスキー毛

軟毛の代表的なもので非常に高価な原毛です。シベリア地方から中国東北部に生息しているもので、雄の尾毛は毛が長く最も優れたものとされています。毛の形状が奇麗な紡錘形をしておりバネのような弾力があり、筆にしたとき特に穂先のまとまり、絵具の含みの良いのが特徴です。

■イタチ毛

コリンスキーよりは毛が短いが、弾力と穂先のまとまり、絵具の含みの良さを持っており、コリンスキーと同様軟毛の代表的なものです。ロシア、中国等のイタチが優れたものとされています。コリンスキーを含めて「セーブル」と総称する場合が一般的で油彩画用、水彩画用、日本画用の筆として使用されています。

■リス毛

リス毛は柔らかく細いので、セーブルのような弾力はありません。反面、絵具の含みが良く、穂先も良くまとまるので、油彩画軟毛筆や、水彩画筆として用いられています。主に尾の部分を使い、原毛はロシア、中国が良質です。

■狸毛

毛の根元が細く先が太いため、筆は穂先に向かってふっくらした形状になります。絵具の含みが良くしなやかな毛質で、油彩画筆、水彩画筆、日本画筆に用いられています。

■馬毛

最もポピュラーな筆用の毛です。ほぼ全身の毛が筆に用いられています。特に胴毛や足毛がよく使われ、油彩画筆、水彩画筆、日本画筆などに利用されます。アメリカ、カナダ、中国産があります

■羊毛

毛の生えている場所によって様々な種類に分かれます。画筆では筆のバランスを取るために、特に羊尾を多く使います、日本画筆に用いられます。

■猫毛

白玉、玉毛と称する白い毛だけを使います。先のまとまりが良いので、面相、白佳などに使用します。

■鹿毛

黒山馬、赤山馬、大唐、小唐など鹿の背筋の毛で、硬くて粗い毛質で、刷毛や付立筆の一部に利用されています。

■ナイロン毛

弾力、穂先のまとまりが良く、量産できるため安価です。アクリル画用によく使われますが、リセーブル毛のように特殊処理していないため、絵具の含み、微妙な腰の粘りにやや物足りない点があります。

弱点をカバーするため、各メーカーから絵具の含みを天然毛に近づけた合成繊維が出ています。